プロジェクト
研究室がこれまでに関わってきたプロジェクトの紹介と成果物を示します.
花街プロジェクト
花街とは芸者が活躍する町のことです。
ここでは日本舞踊、茶道、華道、邦楽、衣装、和食といった伝統文化が、歴史的建造物や小路、路地とともに継承されています。
歴史的建造物は、芸者が芸を披露する料亭・お茶屋、芸者が所属する置屋などの建築物が集積しています。
現在、全国には約40箇所の花街があります。
新潟市の中心部に位置する古町には、江戸時代から多くの料亭が軒を連ねていました。
現在も多くの料亭が営業しています。
そのうち、古町花街には、全国でも最大規模な料亭が2つ存在します。
さらに戦災の影響が少なかったため、料亭以外にも歴史的な建造物が多数残っています。
このように、古町花街は伝統的な町並みが残る花街としては全国随一です。
近年は、建築物の修景や道路の石畳化などの整備が進められています。
本研究室では, 全国花街の歴史的建造物の残存状況や外観特性の調査を行いました.
また, イベント, マップの作成をしています。
下町プロジェクト
新潟市・下町地域は, 信濃川河口部分に位置します.
江戸から昭和初期にかけて発展した歴史的市街地です.
戦災を受けなかったため, 下町地域は、町屋や長屋、路地が多く、下町の雰囲気があります。
本研究室ではこれまでに, 町の成り立ちや構成, 歴史的建造物の残存状況及び外観特性, 路地の分布・再生及び課題など, 下町の歴史的環境を調査してきました.
町場集落の悉皆基礎調査(新潟県内全域)
地方には、地域の特色を残した町屋が多数存在します。
しかし、その詳細はまだ把握されていません。
そこで、本研究室では、歴史的建造物群の残存状況と外観特性の把握をしています。
これらの結果より、重点地区の選定やのデザインガイドラインのための基礎データを準備します。
これまでに、新潟県内の街道沿いにある1,000以上の町場を調査しました。
今後は新潟県全域の総括を行う予定です。
村上プロジェクト
村上市は新潟県北部に位置します。
市街地中心部は17世紀初頭に城下町として整備されました。
城下町の4つの要素が残っています。
それらは城郭、武家町、町人町、寺町です。
市街地中心部が衰退化していますが、近年、歴史的資源を活かした催しが行われるようになり、活性化の兆しを見せています。
本研究室も調査や行政の計画策定の支援を行っています。
佐渡プロジェクト
佐渡は日本国内で最大の島国であり、鉱山文化が400年続いた地域でもあります。
現在も当時の鉱山遺跡や町並みが良く残っています。
また、歴史的に価値があるこの佐渡金銀山の世界遺産登録を目指しています。
佐渡市の相川と笹川集落は国の重要文化的景観に選定され、
宿根木地域は、国の重要伝統的建造物群保存地区に指定されています。
他にも、小木、赤泊、相川(上・下町)、湊の景観的に重要な地域があります。
本研究室では、歴史的な価値のある町並みを保存する一助として、佐渡市内の複数の町に残る町屋を主とした歴史的建造物を調査し報告しました。
また、マップ作成も行いました。
西大畑プロジェクト
西大畑は、元は畑の多い地域でしたが、明治以降に開発されました。
そのため、明治から昭和初期の建物が残る町です。
町家の多い旧市街とは違い、この地区には洋風の建築があります。
また、町中には大正時代の商家や豪農の別邸が多くあります。
その中には湊町新潟の繁栄を表す文化財である旧斎藤家別邸があります。
この建物は、解体される可能性がありました。しかし、市民による保存を願う運動により、2009年に市によって保存され、一般公開されています。URL:http://saitouke.jp/
さらに、大正10年に建てられた「旧新潟県副知事公舎」は当時の雰囲気を残しつつ再生されました。
現在は、人気のレストランとして活用されています。
本研究室では、近代の雰囲気が残る西大畑の景観の魅力を伝えるため、マップの作成を行いました。